富士宮支部長　挨拶・活動方針

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令和7年度活動方針

【テーマ】魂ゆらの道に迷わず

世界規模で秩序がガラッと変わろうとしていく中、その大きな変化の波が我が国をも飲み込もうとしています。米国に於いては、1月20日のトランプ大統領就任により、旧秩序からの脱却が進み、大変革の時を迎えています。欧州・南米に於いても、保守路線を掲げる政党が支持を集めて来ており、行き過ぎたグローバリズム・リベラリズムからの転換が試みられています。我が国では、失われた 30 数年間、格差は増大し、思想文化も壊れていきました。上がり続ける国民負担、高止まりしている物価、そして「今だけ、金だけ、自分だけ」と揶揄されるが如く頽廃していく社会が「今」ではないかと思います。

果たして、我々はこれからの時代、何を取り戻していくべきなのか。また、どう変わっていくのか、そして何が大切かを心に刻み、どう行動していくのかが問われて行く時代なのだと思います。多くのリベラリズム政策に、現米国政権は「NO」と言っています。「脱炭素」「多様性」を始め、ついこの間まで連呼されてきた言葉が否定され始めています。外交・情報・金融分野においては、劇的な変化が起ころうとしており、長い間覆いかぶさってきた分厚い雲の隙間から光が差し込もうとしています。しかし、俯瞰すると、我が国は米国とは真逆の道を進んでいるようにも思え、世界的潮流から取り残されてしまわないかとの不安が募るとともに、危うささえも感じます。

一例を挙げると、いままで日本経済の牽引者と言われてきた我が国の自動車業界で言えば、世界が EVシフトから離れていく中、紙面を賑わせている大企業をはじめ、これから先何処へ向かうのか、今の産業構造が正しいのか、何れにせよ答えを出していくことになろうかと思います。それにより裾野の広いサプライチェーンに与える影響は甚大であり、リーマンショック・東日本大震災をも超える途方もない苦難が待ち受けている可能性も否定できません。自動車に限らず、疲弊していく「ものづくり」、衰退していく農業、また、それを取り巻く環境は過酷そのものであります。

就中、我々中小企業が置かれている現状は、容易い環境に置かれていないのは明らかです。取り巻く環境が激動していくなか、進む船は面舵・取舵を目一杯切らねば避けられない氷山が待ち受けていることも頭に入れておかねばなりません。しかし、どんな状況に於いても、雇用の維持・創出、会社の維持・発展、地域で一隅を照らす存在であり続けるのが、中小企業経営者の責務です。

同友会富士宮支部は今年度、「魂ゆらの道に迷わず」をテーマとし、大変革の時代にどれだけ魂が揺さぶられ、歩むべく道を見失いそうになったときでも、支部の先達が作り上げてきた「道」に立ち戻ること、そして軸がぶれることなく歩みをすすめ、立ち止まることなく「迷わず」進んでいきたいと考えます。「道」は「歩くか歩かないか」であります。

我が支部の道は、先達が未開のところから歩き続けて作り上げてきた「道」であり、今や大きな幹線道路になっております。しかも、会員であればいつでも誰でもアクセス可能であり、その道は年々広がりを持ってきています。これからも、皆さん自身の道を同友会の道につなげてもらい、共に「これからの道」を作って行きたいと考えております。

【活動方針】
① 立ち止まることなく、歩き続けよう
会社経営をしていく上で、様々な問題や壁にぶち当たります。「幸せは歩いてこない、だから歩いていくんだね」と歌にあるように、例会・グループ会を始め、諸会に参加することにより、解決に向けて歩きだすことが大切です。

参加し、仲間と共に歩き、解決のヒントを拾い集めてまいりましょう。いずれ「あなたのつけた足あとにゃきれいな花が咲くでしょう」となるよう期待します。同友会は何かエビデンスを示してこうしなさいと教えてくれる場所ではない事を認識し、自らが参加し、その道を歩く事による実践が解決に導いてくれるのだと思います。

先ず参加して共に歩いていきましょう。「千里の道も一歩からはじまることを信じよう」その上で、立ち止まっている仲間を見つけたら、声を掛け、連れ立って歩いて行ける関係性を作っていきたいと考えます。

② 凡事徹底を心がけよう
会社経営は決断の連続です。しかし、先延ばし出来ず、速やかな回答を求められる事が多々あります。同友会の案内も出欠の決断を迫られますが、同じことではないでしょうか。一緒に考えていきたいテーマです。

また、諸々雑多な資料の提出も、仕事をしていく上ではついてまわる事です。提出は必須で、大凡期限が設けられています。これも同じことだと思います。挙げれば数多くの共通性を見出しますが、目的を考えれば当たり前のことです。しかし、これこそが出来そうで出来ないことでとても大切なことです。先ずは「凡事徹底」を目指しましょう。

とは言え、正論が導き出す答えだけが、人を必ずしも幸せにしてきたわけではありません。正論の間にちょっとした隙間があり、遊び心がある。そこに生きる為に必要な喜びがあるからこそ、この窮屈な世の中を、なんとか生きていられるのも事実です。

究極の主体性とは「許すこと」だと思います。人と人との関係で、自分とは相容れない考えや主張に苛立つこともあるでしょう。その中で、相手に変化を期待している自分は、まだ相手に「依存」しているのだと思います。自分で主体的にできることは「許すこと」「受け入れる事」くらいなのかも知れません。許せないこと、許すべきでないことも当然あります。それでも、広い視座を持ち、お互いを尊重し、今年1年共に歩いていきましょう。

令和7年度　富士宮支部長　鈴木高史　（有限会社鈴木製作所代表取締役）

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